哲数物を学ぶ

自然科学のことや自分の経験や考えたことについて書いていきます.

複素数z=x+iyと外積の性質を用いて二重積分 ∫dxdy を ∫dzdz* と表示する.

多重積分に現れる微小要素 dxdy というのは外積として定義する考え方がある.

つまり dxdy は詳しくは dx\wedge dy という外積の記号が省略されている.

 2変数関数 f(x,y)積分複素数 z とその複素共役 z^* を用いた関数 f(z,z^*)積分に変換するときはその微小要素の変換は以下のようになる. 

{\begin{equation}dz\wedge dz^*=(dx+idy)\wedge (dx-idy)\\=dx\wedge dx-idx\wedge dy+idy\wedge dx+dy\wedge dy\\ =-idx\wedge dy-idx\wedge dy\\=-2idx\wedge dy\end{equation}}

word2016で数式の右端に数式番号を入力し,相互参照する方法

word2016の数式入力で数式番号を数式の右端に入力する方法をまとめる.表を用いた方法などはすでに紹介しているサイトが他にたくさんあるが,ここでは表を使わず数式ツールとSEQフィールドを用いてキーボード入力だけで数式番号を入力する方法を紹介する.相互参照するときにはブックマーク機能を使うのでマウス操作が必要となることを注意しておく.詰めが甘くて申し訳ない.

方法

用いる機能は数式ツールにおいて,「」を数式の後に入力すると#以下の文字列がその行の右端に表示されるというものである(参考1).

例えばword内で数式ツールを起動し,「a+b#c」と入力してEnterを押せば,

f:id:OviskoutaR:20170529005255p:plain

と表示される.

(これを行形式でみると「■」が入力されていて,さらに「&」を使って複数行の式の頭を揃えることもできたので\eqarrayで入力できるのかと思ったのだが違うようだ.この機能を持った■の入力コマンドを知っている人がいたら教えてほしい.)

この機能とSEQフィールド(参考3)を用いて連番を入力すれば数式番号の機能を実現できる.連番の入力方法は他にもいろいろあるので知っている好きな方法を使えばいいと思う.

相互参照については式番号の部分をブックマーク(参考4)で登録したものを使うのが一番無難な方法であると感じた. 式番号に章番号も含めたい場合はStylerefフィールド(参考3)を用いればいいと思う.

実際に以下の画像の式を入力する.

f:id:OviskoutaR:20170529005523p:plain

手順は以下の通り

  1. 数式ツールの起動
  2. 「 \integral#( 」と入力
  3. Ctrl+F9 によってフィールドの表示
  4. 「 seq eq 」と入力し,F9 で更新
  5. 「 ) 」を入力したら Enter

以上.



参考

  1. Equation Numbering in Office 2016 – Murray Sargent: Math in Office
  2. http://www.unicode.org/notes/tn28/UTN28-PlainTextMath-v3.pdf
  3. Word2010:SEQフィールド(連番)の使い方 - 教えて!HELPDESK
  4. Word:1箇所に入力すると他の箇所に同じ文字列を表示(ブックマーク&相互参照) - 教えて!HELPDESK

『証明と論理に強くなる』を読んだ

『証明と論理に強くなる』 著:小島寛之 2017年

を読んだ.

高校数学で習う範囲の中で「証明と論理」は他の単元と比べて少し異色な雰囲気を感じる人がいるのではないか.公式を使って計算して値を決定する問題が大半の中,この「証明と論理」の単元では何かただの言葉遊びをしているだけでよくわからない.そして感覚でなんとなく答えを決めてしまう.そのような人に対してこの本は書かれている. 論理学や証明法の基礎の部分をしっかり解説してくれていて,この本を読めばそれらの理解が深まるだろう.

私は論理学を本格的に学んだことはなかったので,この本の内容は新鮮に感じた.論理記号として「かつ」「ならば」「でない」の三つはよく知っていて間違うことなく使えるのだが.「ならば」に関してはその真理値からして初めて知り,とても奥が深いなと感じた.「「aならb」ならばc」と「aならば「bならばc」の二つは意味が異なり,「ならば」には結合則が成り立たないこと.「aならばb」と「aでない,かつb」は同値であること.などは私は今まで意識したこともなかったし,言われてみれば確かにそうだし面白いなと思った.また,数学ではとても基本的な数式でもその意味を考えだしたらなかなか深みにはまってしまうことがあるが,どちらかというと意味よりも先にその計算規則があるという考えの方が精神的に健康に数学の勉強ができるなとこの本を読んで感じた.






『脳はいかにして数学を生みだすのか』を読んだ

『脳はいかにして数学を生みだすのか』 著:武田暁 2016

を読んだ.

著者の武田暁氏は長年素粒子物理学の研究されている理論物理学者である.現在では脳科学の研究をしていて本書のような脳と科学との関連についての本を何冊か出している.本書では人間が長い歴史の中で築き上げてきた巨大な学問である数学が,どのようにして脳から発生したのか,脳科学の研究成果や著者自身の長い研究生活で得られた経験からわかることを紹介してくれている.

私は数学や物理の勉強をよくするが大体は本の内容から記憶したことをただ流用しているだけで新たな数学を作った経験はない.「数学はパターンの科学」という言葉もこの本で紹介されていたが,自然からなんらかのパターンを見つけて概念を言語化し抽出して定式化するといようなことはそう簡単にできることではないなとしみじみ思う.数学を最前線で作っている研究者の考えていることや,脳の動きなどはとても気になることだ.その仕組みが解明されればもしかしたら今流行りの人工知能にも組み込まれて人工知能が数学を作っていくようなことになったら面白いなと思う.そんな未来になったら人間の数学者の仕事は残っているのだろうか.それともやはり数学は人間にしか生み出すことのできないものなのか.どんな未来が待っているのかとても楽しみである.






脳はいかにして数学を生みだすのか

脳はいかにして数学を生みだすのか