哲数物を学ぶ

本の感想が主,サブカルにも触れる

『大栗先生の超弦理論入門』をよんだ.

『大栗先生超弦理論入門』 著:大栗博司 2013年

を読んだ.

本書は,現在,物理学の最先端で力の統一理論の有力な候補として多くの研究者が研究している超弦理論について,その権威である大栗博司先生自らが一般向けに優しく説明をしてくれるとてもありがたい本である.

弦を用いて光子や電磁波や重力を表すというアイデアを数式なしで説明してくれていて,そのアイデアの雰囲気を少しはつかめたかなと思う.超弦理論ができるまでの歴史的背景もとても興味深かった.

空間が幻想であるという結論に物理学がたどり着いたという事実にはとても驚いた.空間も時間の流れも単なる観念についた名詞に過ぎず,実在ではないというのは仏陀が体得した無分別智の境地として古くから知られていたが,その境地に物理学者が数学を使って迫ろうとしているようなのだ.これは超弦理論に期待せずにはいられない.人類総解脱計画である.

仏教が持つ実在論の体系として唯識論がある.唯識論に少し似た理論の唯心論をベースにして中込照明先生が考えられた唯心論物理学という理論もある.こちらは少しマイナーだが,これはモナドを用いて空間と時間が表されるらしい.

物理学がどこまで人類の知の限界に迫れるのか,この先とても楽しみである.

大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス)

大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス)